神が泊まる村

蓋を開けたのは誰?  陰(いん)の闇が溢れた。 長編小説連載中。

参道 5


セリフの中で改行させてあるところがあります。





「先程、神を求める人々の心そのものが大事だ、と話したよね」
 言いながら私は、参道を下り始めた。

「共に良い祈りや願いをする事によって」

「個人個人の祈りを纏め、団結力を高める。その為に神という幟(のぼり)が要ったってぇんだろ」

「うん。簡単に言えば、そうだね。
人々は団結する必要があった。家庭内でもだが、その外でも。
生活してゆく上で人々は、心身共に常に団結しなければならなかった。
文化の発達によって今は大分生活が楽になったが、昔は厳しいものだった。
日本は古代からの農耕民族だ。米は勿論、稗(ひえ)、粟(あわ)、麦などの穀物で生活の基盤を整えていった。それら食物を育て刈り入れるには、多くの人の手が要った。穀物だけでなく、海の幸、山の幸を採取するにも、増やす為にも、又、摂り尽さないようにする為に協調力も要った。どうしても団結力を必要とする環境だった。
そして、収穫量は天候によって大きく変わり、小さな村では餓死する事も。
だから人々は団結して協調し、自然、神に対して祈り、感謝した。
皆で力を合わせて収穫を得ていたのだから、その祈りは冗談事ではなく、余程真剣で大切な事だった。
そして、気持ちを合わせる為に、祈る対象も同じものでなくてはならなかった。
では、人々が祈った具体的な対象は何か、と言うと、簡単だ。米作りでは、太陽、田圃、水、などのそれぞれの神様だ。
田圃を守りより多くの実りをもたらしてくれるよう、冷害や水害に見舞われないよう、又、見舞われても被害が少ないよう、人々は団結し心を合わせ、田の神、雪の神、水の神、川の神、それぞれに祈った。
米作りだけでなく、海に暮らす者は海の神に。山に暮らす者は山の神に。
専門の職業に就く者はその職業の神に。
神とは、心の拠り所でもあるが、生業に密着した守り神と言う存在でもある。
それ故に殊更、絶える事なく祀り続けられてきたのだ。……ここ迄は、分る?」

「まるで運命共同体の成り立ちのような話だな」
「その通りだ」

 鳥居を潜った。
「だが、この村が祀る神……は、一寸、他と違う」
「平野から村の中を通る道の神を祀ってんだろ」
 一郎は道の先を、腕を上げて指した。

「神霊は、春になると山を下(お)り、もっと下の土地へ行く。秋には下の土地から、山へと帰ってゆく。
その時にお通りになる道が、この道だ。
山間の底を走るこの道を、神がお通りになる」

 私は村の道を進み始めた。




つづく


☆解釈コース☆を読んでくださった方、ありがとうございますm(_ _ )mひとまずここで終了しまして、本編で進み次第、案内を繋げて行きたいと思います。



「参道」、終了です。
「神泊りの歴史」は次回。日にちをあけると訳が分らない内容ですので、
ある程度、また一挙に載せます。

参道 4


セリフの中で改行させてあるところがあります。





 いきなり、わしわし、と頭をなでられた。
「な、何?」
 父親にされた時と同じような手付きで、慌てて払った。撫でられる歳ではない。ぐしゃぐしゃになった髪を慌てて直した。

 一郎は知らぬ振りか、顔を参道の右方に向けていた。

「外に出られるようになったら訊こうと思ってたんだが」
「何だ」

 一郎は手を上げ、杉林の奥の方を指し示した。
 私も視線を向けたが、雪の壁が邪魔した。頭一つ分、一郎の方が背が高いが、辛うじて見えるくらいだろう。

 参道の両脇には毎朝の奉仕で除けられた雪が積まれていて、指し示された杉林の奥の方など、雪の壁に遮られて見えない。

 雪の壁に取り付き、うんと背伸びをした。
 「何?」
 辛うじて杉林の中が見えたが、変わらず雪の白があるだけだ。
「何も無、……っ。わっ」
 今度はいきなり体が宙に浮いた。腿の裏と背中を支えられ、子供抱きに抱き上げられていると分り、暴れた。
「何をするっ」
「痛て。てっ。良く見てみろって。凹んでる箇所があるだろう?林の中に」
「え?」
 視界の広がった杉林の中を改めて見た。
 あれは?……珍しいな。

 均一に降り積もった白い雪肌の中に、大きくはないが、落ち込んだ穴らしきものが見えた。中までは日の光が入らないのだろう。周りと比べてそこだけ雪の白さが弱く、薄暗く見えた。

「一郎。あの穴はな」


 私の胸の上着に一郎が顔を寄せている事に気付いて言葉を止めた。
「デッ。殴る事無いだろう」
「何を考えているのだ。女だとでも思っているのか?」
 降ろされ、憮然として私は言い返した。
「勝手に体が動いた」
「お前、自重、という言葉を知っているか?」
「光希は自重だらけだな」
「そうだ」
 一郎は無言になった。そしてやおら、ぶっ、と息を吹き出した。それだけではなく、雪の壁に向き叩きながら、ひーっひっひと、笑い始めた。
「……何がおかしい」
 怒りを含んで訊いた。
「いやー。素直だねぇ。みっちゃんは」
 涙を拭く仕草をしながら一郎は振り返った。
「素直で笑われるのは不愉快だ」
 一郎は又吹き出して、体を揺らし、笑いを噛み殺し始めた。

 笑い上戸だな。こいつはまったく……。
 何がそんなにおかしいのか、さっぱり分らない。

 私は黙ったまま両手を腰につけて横を向き、彼が笑い終えるのを待った。しかし、なかなか終わらず、痺れを切らし始めた頃に漸く、大きく息をして一郎は上体を起こした。
「気が済んだか?」
「ああ。悪ぃ。さ、始めよう」
 私の台詞だろう。と思ったが、余計な事は言わぬ方が見の為だと思い、止めた。


 一郎は笑みの残る口調で説明し始めた。
「数日前、朝の奉仕中に音がして、空いたんだ。何の穴だ?喜右ヱ門に訊いても、しどろもどろで話そうとしねぇ」

「うん。あれは……、な、墓穴、だ」

「は?墓ぁ?ここ、神社だろう?墓は寺だろ」

「仏教が浸透する以前は、ここが墓地であったのだ。
全ての神社がそうではないが、そういう所は他でもあるらしく、結構多いらしい。
神、霊的なものを感じる場所に、魂を送る。
ここの神社も昔は、祭祀場であると共に、埋葬地でもあった。
しかし、かなり古い時代のもので、木の根が張り全て埋まった、とされていたが……。地中に岩が多く、未だ、残っていたものがあったのだな。雪の重みで空いたのだろう。
丁度この杉林は埋葬地であり、むやみに立ち入る事は許されない、神聖な場所、だ」

「神聖?墓地が?」

「先程の話で、神を必要とした人々の大まかな思いは、理解出来たな?」
「あ?ああ」
「では、具体的に人々が何に神を感じ、何を対象に神祀りをしてきたのか、そこから続けよう」




つづく


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参道 3

 鳥居まで続いている村人の群れは、禊をする為に集まって来たのだろう。有難や、の声が上がっている背後の様子は、すっかり神童に対する元のものに戻っている。だけでなく、雪の上に膝を落とし、手を合わせている者も居る。
 禊斎が始まってからは、決まった時間に毎日行われ、今は、丁度その時間なのだろう。失念していた私は顔を押さえた。

「な……、何で言ってくれない。一郎。……喜右ヱ門」
 この上もなく顔が真っ赤になっているのが自分でも分った。話しに夢中になると周りが見えなくなる質で、故に、背後の気配にも全く気が付かなかったのだが、私と向き合っていた一郎と喜右ヱ門は無論、気付いていた筈である。そんな振りを全く見せもせず、教えてもくれない二人が意地悪に思えた。

「まぁまぁ。後ろ、あんまりにも真剣な顔で聞いてたからな。教えるのに気が咎めてよ。そうこうしている内に、こんなに溜まっちまった」
 そう言う一郎の口調は、おもしろくて堪らない、と言う、笑いを噛み潰したものだった。
 何でもおもしろおかしく思う一郎の性質を今更咎めても無意味だ。

 いつから聞いていたのだろう。

 信心深く根が我慢強いこの村の人達であるから、罵倒する様子もなく静かに聞いてくれたのは嬉しくもあったが、拝まれるような話でもなかった筈だ。

「お前(め)も宿泊所サ戻れ」

 人事のように道の脇に立っていた一郎に、村人達を誘導していた喜右ヱ門が言ったが、それを止めた。話は始めたばかりで、肝心な話は未だしていないのだ。不信心の一郎には理解が先だろう、と説くと、喜右ヱ門は意外にもあっさりと承諾し、自ら神社にその旨を伝える役を負ってくれた。いつもなら私も行かなくてはならないのだが、病み上がりであるから今日は禊をしなくても良い事を、チヨ婆さまから聞いていた。未だ目の前で跪いている数人の村人を立たして促し、最後についた喜右ヱ門が列を進ませた。

「さすが、藤仁様のお子じゃ」
「誰ですかっ?」
 有難やの合唱が続く中、不意に違う囁きが混じり、咄嗟に訊き返した。小さな声だったが、聡く私の耳は拾った。発されたと思う方向に視線を向けたが、目線があったと思われる先から顔を背けられ、言ったのかは誰かが分らない。全ての村人が慌てず騒がず厳かとも言える足取りで通り過ぎてゆく。

 やがて最後についた喜右ヱ門が前を通り過ぎ、坂の上で軽く会釈をし、姿を消した。

 知らず緊張していた私は、溜息を吐いた。
 誰に何を訊いても、今は無駄……か。




つづく


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参道 2


セリフの中で改行させてあるところがあります。





「では、話を戻そう。
神祀りは、個人が受けた感じを他の人と共感しようとしたのが始まりである。
何故、感じたままにしておかず、それは神である、と認識し、更にはそれを他の人と共感しようとしたのか。
それは、感じた対象が目に見えない大きな力であったり自然だったりして、人の運命を左右したり、生活に影響を及ぼすものだからだ。
不安や不浄、自分ではどうしようもない事態に陥った時に人は、周りを滔々と流れゆく大きな力を感じ、それに縋(すが)る。
又、何事もなかった時にはそれに感謝し、次の日もその次の日も平和に過ごせるよう、祈る。
そうして、心の安息が得られ、安穏に暮らせる」

「あ」
 何かに気付いたような声を、一郎が上げた。

「何?」
「家や道場の神棚ってな、そーゆー、アレか」

「うん。道場の方は、武芸向上の願いもあるのだろうが、元は、大きな事故がないように祈ったのが始まりだろう。
不幸のない事が何よりも幸いだからね。そう……、家の方にもあると言ったね。家の方も、家内安全。
家に災いが訪れないように祈り、家族皆が無事に和やかに過ごせるよう、願ったのが始まりだろう。
まぁ、それも勿論、個人差や特色は様々あるだろうが、大体、家や道場の神棚は個人宅の守護神であり、神社はその地域の守護神である事は、共通している」

「守護神、……か」
 一郎の口からその言葉が出た事で、私の動悸が少し早くなった。努めて平静を保った。

「そう……、言ったように、神と言う存在、神社、神棚は、人々がそこで生活し生きてゆく為の、言わば心の拠り所でもある。
他の動物と同じように、人は只一人で生きている訳ではない。
動物と違って昔から、他の人と祈り願いを共感しようとする。
それは何故か。人は、確とはなしに知っているのだ」

「何を?」

「自分を良く生かす為には、自分や自分の生活に関する人との関わりや、周りの環境自体が大事だと言う事を。
悪い影響を与える人や環境に関わっていれば、止めどなく自分と自分の生活は悪化してゆき、気付かない内に悪循環に陥ってゆく。
良い影響はその逆である。
だからこそ人々は、自分や生活に関わる人と、共に良い祈りや願いをし、共に向上してゆこうとするのだ。
その対象として、神と言うものが存在する」

「は?神が居るから祈るんじゃねぇの?」

「神を認識するのは人間であり、認識する必要があって、神、と言うものが初めて存在し得る、と私は思っている。
だが、一郎が言う通り、居るから祈る、でも良い。始まりは何であれ、要は神を求める心が肝要だ。
思いを同じくし、共に良い祈りや願いをする事によって、団結して生活や環境を良くしてゆこうとする、思いこそが大切なのだ。
只その、思い、というものはきっちりとした形がある訳でなく、自分でも曖昧なもので、個人差も無論ある。
だから対象が必要であり、認識的に多少の融通の利くものでなくてはならない。
それも、対象はなるべく同じものでなくてはならない。
それが、神、なのだ」

「はーん。だから、神は姿無きもの、な訳?」
 幼馴染みの言だろう。私は頷いた。

「うん。思い、が大切なのだ。
己や相手の思いを大切にするからこそ、神は、敢えて姿が無い、のだ。きっちり決めてしまうと、良い事を願うその思い、と言うのは却って霧散したり、始めに感じた思いとは別物に変化してしまったりする。
在るか無しかの、細やかな個人個人の良い思い。
それが、清浄と和を望む、神道と言う宗教が大切にするものであり、始まりでもあるのだ」

「ふ〜ん」

「これは、いつの世でも途切れる事なく、人々の心の水底にたゆたってきたものだ。
又、形は違かろうが、世界の人がその意識に目を向ければ、それを大切にすれば。
多少のいざこざはあろうが、行き過ぎの争い事はなくなるだろう」

「世界?でっかい考え方だな」

「己を取り巻く環境、自然に対する気持ち。
それも原初の気持ちのようなものが始まりで、どの宗教を辿っても始まりはそこに辿り着く。
形は違えど、誰にでも言える事だ。
だが、そういった性格上、強要するものではないし、するべきものでも、ない」

 言いながら私は、話がいきなり大きくなった事を、恥じた。

「怖いな」
 ぽつり、と一郎が言った。
「怖い?……う、……ん」
 くぐもった声で返事をして頭を世界から切り替えた。

「それは、そうだろうな。真剣な気持ちの問題だ。
だからこそ、その対象である神は、ないがしろにしてはならない。
真に平和を望むからこそ、その気持ちの顕れでもある、神と神社は、純粋な願いと共に、次の代、次々の代になっても、大切に守り継がれてきたのだ」

「そうか。否。怖い、と言ったのは、お前だ」
「私?どこが。どうしてだ?」
「そんな事をそんな真剣に考えているお前に、だ。普通、そこ迄考えないだろう」
「うん?そう、か。……父だ。父が良く、こんな話を聞かせてくれたのだ」

 どよっ、としたどよめきが、突然、背後で起こり、一郎と喜右ヱ門に意識を向けていた私は、ぎくーっ、と全身を竦ませた。
 振り向くと、狭い参道一杯に大勢の村人が詰るようにして居た。




つづく


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参道 1


少しでも読みやすくと、セリフの中で改行させてあるところがあります。




 一郎と喜右ヱ門と共に参道へと向かった。

 緩やかな白い坂道を中程まで進み、私は足を止めた。後ろに向き直り、両脇の杉林に顔を振った。
「光希?」
 両手を腰に当てた格好で一郎が窺うように呼んだ。
「うん。一郎。何故、神というものが存在すると思う?」

「何だ?いきなり。居るもんは居るんだろ」

「うん。だが、神を認識するのは人間だ。
それ以外の生き物は、認識せずに生きている。
人は何故、神を認識するのだろう」

「困った時の神頼み」
 一郎は胸を張って応えた。

「ふふっ。そうだね。だがその、困った時に頼む神、とは何だ?」

「あん?何?何って……。んー?そうだなぁ……。何か、目に見えない大きな力だな。俺ぁ、神様の名前なんて知らねぇからな。特にこれってな、ないな」

「うん。特に、これ、とはなく只、大きな力がある、と言う、その意識が大事だ。
その、目に見えない大きな力の流れが、自分や自分が願う人にとって、良い方向に向かって流れ、助けてくれるよう、願う」

「うん。そうだな」

「その、目に見えない大きな力。
それは、運、であったり、生けるものを生かす力であったり、逆に、不運であったり、生けるものに災いをもたらすものだったりする。
本能に近い意識で、その目に見えない力の存在を感じた人間が、それを神であり、神の御業である、と、意識する。
自我を持つ人間だけが神を認識するのだ」

「は?それが神ってか?えらい大雑把だな」

「ふふっ。大雑把で良いのだよ。
大事なのは、感じる、という、本能に近い意識での認識だ。
心の内でも最も純真な部分でもあるから、説明も出来ず、摘めるような確かなものでもない、だろう?」

「確かに、な。自分でも感じてるかどうかなんて分らねぇしなぁ。んなモン。だがなぁ、認識したってぇ、独り善がりじゃねぇか?気休め、言い掛かりとも言えそうだな」

「何と言うか……、一郎は言葉が悪いな。だが、当たらずも遠からず、だな。
その、独り善がりや気休めなどの個人が受けた感じを、他の人と共感しようとしたのが、神道という宗教の始まりである、と、私は考えている」

「光希様。いつもそっただ難しい事を考えていたんですかの」

 喜右ヱ門が驚いたような口調で言った。彼のいつも通りの素直な反応に、私は安心もし、一寸はにかんだ。

「喜右ヱ門には初めて話すね。しかしこれは、私個人の考えだ。だが一郎にはこれらを念頭に置いた上で、これからの話を聞いて貰いたいのだ。どうやら一郎は……、神様が何であるか、その意義すら分らないようだから」

「……そうなんですかの」
 喜右ヱ門が一郎を避けるように、一寸身を引いた。
怯える仕草だ。
喜右ヱ門は生まれた時から神社に仕えてきたので、神の存在を理解出来ない、という一郎が不気味なものにでも見えているのだろう。

 喜右ヱ門を蹴飛ばそうとする一郎止めると、今度は、一郎が私に訊いてきた。

「だがよぉ。光希。神泊りの歴史を話すのに、神様云々の話をしなきゃ、駄目なのか?」

「駄目なのだ。何故なら、神社と言うのは、神を祀る場であるのは勿論だが、それだけではないのだ。
人の手によって造られた建造物がある以上、昔に神を認識した人間が居たという事に他ならず、この神泊神社も類に漏れない。
では、何故神を認識したのか、何故認識が引き継がれてきたのか。
その必要性をしらなくては、社(やしろ)は只の建造物であり、祀(まつ)りも形式でしかなくなってしまう。
今、神社と言う形が残っているのも、昔から神を認識してきた人々が居て、その認識が次世代に引き継がれている事に他ならず、神社の歴史を知ると言う事は、始めの人々が何に神を感じ、どのように祀ってきたのか、それを知る事と言う事と同じなのだ」

「うぅ、分った」
 詰ったような声で一郎は応えた。

 私は懇願する気持ちで言った。
「一郎は……、自分に必要がないと思う事は、耳にも入らないし、覚えもしないし、理解しようとも思わないだろう?
人々が何故、神社を必要としたのか。
それを分って欲しいし、それを考慮に入れた上で、今後どうするのか、一郎にも改めて腹を決めて欲しいのだ」

「分った」
 子供のように言下に応える一郎に、私は微笑んだ。




つづく


☆解釈コース☆こちら


「参道」は前置き的な話なので、一挙に投稿。
仕事私的にも多忙シーズンに突入☆
コメントの返事など、管理人の反応が一層悪くなっております。
投稿は暫く書きあがり次第のタイマー投稿をしようかと思っております。
これからのシーズン、悪しからずご理解の程お願い致します。

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神泊(旧・月森) 光希

初音 一郎

神泊喜久枝 (姥様)

斎 喜右ヱ門 (エモン)

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