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タダ読みたくて

自作小説「神泊村」を連載しているブログです

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蛇神-喜右ヱ門編 1

 早雪の年だった。
 見事な秋晴れが続いているの、と思っていたら、雪が降った。
 朝から珍しく重苦しい雲が空を覆い、降りそうだの、と思っていたら、午後になって白い雪片が降りてきた。霜も踏み足りないような、下草も枯れ切らない時期だった。
 すぐ止むだろうの、などと思っていたら止まず、そのままどか雪になり、秋稼(しゅうか)の終えた田は、淡雪の風景を通り越し、突如銀世界に変じた。雪囲いやらに取り掛かっていたところはなく、手伝いに村と神社とを、喜右ヱ門は忙しく往復した。
 そのようにしてその年の冬は、早い初雪と共に始まった。

 神霊は季節に合わせてやってくるとされており、余所からの信者が早い冬の訪れを追いかけるように、どっと村に入ってきた。
 小さな村には幸い、合宿所として使用していた古い家屋を前の年に壊し、コンクリート造りの新しい宿泊所が出来上がっていた。
 そこに滞在したこの人々は、あたら騒がず番を待ち、取り立てて騒がしい事はなかった。
 境内の方が神事絡みで慌しくなった。
 それ迄にもぽつりぽつりと神泊りの神事が行われていただが、それは例年通りだった。
 いきなり始まった冬は、神霊達にも突然の出来事だったようで、初雪が降る前後の数日間に、この年は、それ以後の泊まりが集中して起こった。

 姥様の最後の子供。識峰様は、およそ神泊りの能力に優れているのだろう。歴代の神主の神事記録を見ても、神事を彼ほどこなした記録はない。
 山の岩岩に飛んで泊まる神もあったが、大抵は彼に泊まった。
 多くても通常であれば、一日に二・三回の神泊りなのだが、間隔を置かず、ひっきりなしに続いた。十日余りそれが続いたかと思うと、ぴたりと止み、同時に識峰様は寝込んだ。

 雪が降り続いた。
 軒先に垂れた氷柱が太くなり、拝殿の扉を閉め、識峰の姿を社務所の食堂に見るようになった頃にはもう、季節は完全に冬になっていた。
 神事時期は過ぎたのだと思っていた。
 識峰様や姥様、姥様の息子達、村人達もそう思っていたに違いない。
 誰もが油断していた時に、その年最後の神泊りが起こった。


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別窓 | 第4章 告白→6 蛇神-喜右衛門 | コメント:3 | トラックバック:0
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この記事のコメント

コメントありがとうございますw

■kazuさんへ
はじめました☆
今回は長くなりまして、全18話になりますv
一日一回のUPで進めてまいります☆

識峰、大変っすね(笑)
ひっきりなしっすから(大ウケ)←作者なのに。
割愛した部分を読み取っていただいて、嬉しいやらはずかしいやらw
大変だったのかどうか、いっちょ本人に訊いてみます。
管理人:どうだった?
識 峰:覚えてない。
管理人:覚えきれない程だったと。で、どうだった?
識 峰:神主の務めだ。
管理人:勘違いしないで欲しい(真面目)責めている訳じゃないんだ。で?
―――ゴン!―――
管理人:痛!頭殴った……っ。手、早っ!
    にーげーてーっ。光希―――っ。

結局、答えが聞けませんでした(笑)

管理人不在でコメ辺を待たせてしまいまして。その上、こんなふざけた(?)返事で(汗)
Kazuさんのエモンの心の闇がどのように生成されたかを綴る内容になりますv
いつ熊が出るかドキドキと同じく、ドキドキしてくれたら嬉しいです(笑)

光希には熊避けの鈴を持たせるべき♪
もうないと思っていた神泊り☆
楽しんでいただけてる事が何よりも幸いでっす☆


■楓さんへ
来る~♪きっと来る~♪
効果音、ありがとうです。曲が違う?(笑)

バレましたv語り部が語っているようなのは、光希編を使い回した名残です(笑)
それと、後半に控えているピンクシーン(自爆)があるのと、
エモン・パニックに飲み込まれないようにと、作者の自粛です(笑)
そして、(←まだある)
彼は、疑問の回答者ではなく、ヒント提供者だったからですね。(←なんて、改めて気付いた)
真実に近い立場に居る、彼の青春は如何に?
来る~♪きっと来る~♪(←しつこい)

季節の遅い早いは、何かが起こるのでは、という予感を抱きますよね。
地元では、桜が今週末に漸く満開を迎えましたv
場所取りを!と慌てる人間と同じく、
山の神様も季節には振り回されるかな、なんて。

異常気象が漸く真面目に取り上げられ始めた頃に書いた作品。
誰もが抱くだろう、何かが起こるのでは~という予感を入れたいなと思っていましたので、
じわじわひたひたを読み取っていただけて、嬉しいっすw

うふふw楓さんの悲鳴を受信しました♪
離れ……泊まり……離れ……と、識峰、準備運動万端です☆(←え?)
対して光希、準備運動なしで飛び込んでもらいます(笑)
2007-03-31 Sat 10:50 | URL | c.p #-[ 内容変更]
な感じで以後つづく・・・
うおおおっ気になるっ!!
今のところ、エモン編とは言え、語り部が語っているような状況ですね。
さてさて、どこからエモン君視点に変わっていくのか・・・♪
早い冬の訪れ・・・何かを予感させますね。
じわじわと、ひたひたと忍び寄る何かの足音が聞こえてきそうです。
僕は、早い冬の訪れは山の神のいたずらかと思っていましたが、
どうやらこれには神様もびっくり!でしたか。
そしてワンサと神々がやってきては識峰様にとまり・・・
離れ・・・泊まり・・・離れ・・・ぎゃぁぁぁぁあああっ!!←うるさい。
く、来るぞ~!!光希君・・・はわわわっ
2007-03-30 Fri 12:31 | URL | 楓 #u2lyCPR2[ 内容変更]
エモン編、始まりましたね!
ふふふ、お姉さんは楽しみだよエモン~
神泊まり・・・ひっきりなしに神事が行われ・・・・
識峰様も、大変な・・・。
泊まられる識峯様が、ほんと一番大変ですね。
そしてそして、その年最後の神泊まり!
もうないと思っていた神泊まりが!
うわわわっ!にげてー光希くんにげてーーー!!
光希くんに警報を鳴らしつつ、kazuはこっそり覗きます。どきどき←ただの覗き魔;;
2007-03-29 Thu 19:06 | URL | kazu osino #7av6LuR2[ 内容変更]
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