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タダ読みたくて

自作小説「神泊村」を連載しているブログです

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蛇神-喜右ヱ門編 5

 ――斎家――
 神泊処への打橋を掛ける者。

 小学5年の頃に、母親が神主になった。
 次期当主として育てられていた喜右ヱ門は、打橋を掛ける役を当然のように負わされた。
 斎家の当主だった父親はとうの昔に亡くなっていた。

「母(かか)……」
 母が打橋を渡って戻ってきた時に、声を掛けた。
 邪魔者を見るかのような目を母親は喜右ヱ門に向け、社務所へと戻っていった。
 姥様の娘で、斎家に嫁ぎながらも、尚、別格の意識が失われなかったのか。
 母親は神主となった時も、その後も、喜右ヱ門に何かを話す事は無かった。喜右ヱ門を普段から、チヨ婆に任せたきり、面倒を見る事がなく、子への愛情の薄い女(ひと)だった。

 喜右ヱ門も、他の母親を知らず、母を母と慕った覚えが薄い。
 それでも、変貌した母親の姿は、余りにも幼き目に衝撃的だった。母という存在が目の前から完全に失われると同時に、神事の実態を知った。

 十五年くらい不在だった神主の出現に、参詣者が神泊神社に増え始めた。丁度世はバブル景気に入っており、人々の財布の紐が緩みやすく、奉納として財貨が微々ながらももたらされ、それまで景気には縁の無かった村人は喜んだ。神泊村が世間と触れ合う事があるのはそういった時だけだった。神主の出現は待ちに待ったもので、幼き喜右ヱ門を気遣う者は誰一人として居なかった。

 そして、喜右ヱ門はそれを不満に思う事も無かった。


 | 目次 | 

別窓 | 第4章 告白→6 蛇神-喜右衛門 | コメント:3 | トラックバック:0
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この記事のコメント

■kazuさんへ
菊さん、簀子縁で見事に転んでます♪
御簾の後ろに、さっと隠れてください(笑)

エモンがね、一番辛い立場だと思う管理人です。
でもね、まともに書くと余りにも重いから、避けてました(苦笑)
ネタバレにもなるしv(^^ゞ

いきなりバブル?リアル過ぎ?なんて思っていたので、
違和感なく読んでくれて嬉しい(笑)
エモンの切ない旅路、まだまだ続きます~(^^ゞ


■楓さんへ
あら、いやだよ。まだ死にませんよ(笑)
でも、ええ、よくぞ真っ直ぐに……。
つんつくつんの、つくしのようにw(←何だそりゃ)
春なのでv(←苦しい言い訳)

神泊処での出来事を知った時のエモンの顔。
「□◎×■△~~~~っ」
……本文以外の管理人という奴は……。
ふざけに入ってしまいます(^^ゞ

Kazuさんの感想にもあって、
バブル期だった説明が違和感なかったと、ほっとした管理人。
さらに深く読んでくれて、おぉ☆です(笑)

電気・水道・ガスが通った後は、きっと景気の影響を受けなかった村。
だけでなく、受身一方。
あぁ、つくづく、こんな村、嫌だわと思っていた管理人でした(苦笑)
陰、ありまくりのエモン劇場、本番へと向かってゆきますv
2007-04-05 Thu 21:47 | URL | c.p #-[ 内容変更]
父親を早くになくし、母親の愛情に恵まれず、
よりによってくそ婆ぁに育てられたエモン・・・
よくぞ真っ直ぐに?育ったものです。
・・・いや、結構陰があるか(汗
神泊処への打橋を掛ける者・・・
よりによって、自分の母が神主となり、
神事を受け持つ・・・
自分の母親が、神泊処で行っている神事の内容を知ったときのエモン君の顔が見たい。
嗚呼・・・ぶるるっ←出た。変態
バブル期と待ちわびた神主の出現が重なったことが、
村人にとっての不幸の始まりだったことに、
誰一人気づく者がなかったのですね。
・・・嗚呼。
2007-04-04 Wed 21:16 | URL | 楓 #u2lyCPR2[ 内容変更]
エモンくんも寂しい思いをしてきた、子の1人なんですね。
斎家に嫁いだ後も、別格の意識の抜けなかったエモンくんのお母さん。
両親のいない、冬希くん。
温かい両親の元、育ったけれど、なくなってしまった光希くん。
お母さんは生きているけれど冷たく当たる・・・・邪魔者を見るような目で見られるエモンくん。
・・・エモンくんが一番辛そうだなって、思いました。
それでも、呼んでみる。
「母・・・。」
切ないな。本当に切ない・・・・。
菊さんの足を、引っ掛けたいくらいに切ない←やった後恐い@@;
バブル景気など世情の描写が出てて、現実の何処かに村が存在するんじゃないかと思うくらい、とてもリアルな世界。
ほんと、どきどきです。
あぁぁ、切ないよエモンくん~v-406
女たちと識峰様と光希くん。そこで起こった事を、見たエモンくん。
うわぁぁ、明日の5時をまちまっす!
2007-04-04 Wed 18:54 | URL | kazu osino #7av6LuR2[ 内容変更]
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