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タダ読みたくて

自作小説「神泊村」を連載しているブログです

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蛇神-喜右ヱ門編 16

 喜右ヱ門は、光希の脱げた半着を肩に戻し、その胸元を握り締め、目を強く瞑った。
 苦しい……。
 目を瞑った筈なのに、光希のいつにないうっすらと上気した目元や恍惚さを残した表情が瞼の裏にはっきりと焼きついてしまい、消えない。遣戸を前にしての鼓動が戻っただけでなく、激しさを増して胸を圧迫してくる。
 半着を握る手が震え続けた。

 聖域として勝手に抱いていた格付けを、今の光希は覆す様相を見せているのに、失望もない。唯々、喜右ヱ門は、抱いてはならない激情を光希に向けている己自身に焦りや否定を向けていた。

 手当てをせねば……。

 光希の片腕を取って首に担いだ。
 熱い……。
 触れる光希の体は、普段よりもずっと熱くなっていた。半着越しに、薄い肉付きながらも肌の柔らかさが、触れている半身全体に伝わる。
 光希は、己の体に手を回す者が喜右ヱ門であると分っているのかいないのか、弱弱しい手付きで突っ張った。

「くっ。……光希様っ」
 抱き寄せる事も出来ず、腕に力を込めて名を強く呼ばわると、光希は、あちこちとさ迷わせていた目の焦点を合わせ、初めて喜右ヱ門の存在を認めたかのように、抵抗を止めた。
「だ……」
 大丈夫ですかの?と、声を掛け直そうとした時、重みが胸元にかかった。
 光希が予想外に胸元にしがみ付いてきて、咄嗟に踏ん張る事も出来ず、喜右ヱ門は雪の上に倒れ込んだ。

「み……つきっ……様っ?」
「……喜……右ヱ門っ。熱いっ……。焼ける……」

 喜右ヱ門の腕が背に回したままで、傷に触れている筈なのに、それでも光希は掴んだ喜右ヱ門の服を放さず、尚も強くしがみ付いた。
「喜右ヱ門……っ、喜右ヱ門っ」
 泣くように、喘ぐその唇は真っ赤に塗られており、熱い息が喜右ヱ門の首筋に纏いつき、肌を焦がしてゆく。

「……光希様……」


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別窓 | 第4章 告白→6 蛇神-喜右衛門 | コメント:3 | トラックバック:0
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この記事のコメント

■kazuさんへ
どんどん♪どんと焼きのように、燃えてゆくエモン♪
深く深みへずんどこどっこい♪あ~、こりゃ♪こりゃ♪
(↑どんな育ちの人だ……)

エモンとシンクロ、ありがとうですw
ぬははv止ったようで、止らなかったような?(苦笑
ぉお!光希編をまだ載せていないのに、
「望まぬ」と分かるとは!
エモン:そうだべ?そうだべ?kazuさんなら分かると思ったさ。
……(^^;エモン、嬉し泣きしております(笑

エモンの中では、光希の特別性は不変なものとなっておりました。
抱いてはいけない、エモンの心意気、そして、
揺さぶられている葛藤。
きっと、生きてきた中で一番、どきどきしていると思います(^^v

光希にとっては、エモンは安全地帯♪
ぴったり!といいますか、そうか!そうだったのか!と、
よく分からなかった光希の心境が分かりましたv
変わって欲しくない。
互いに互いを思っているところがあったのでしょうね……。
(↑変わってゆくのを楽しんでいるばかりの困った管理人)

エモン、しがみつかれて、頭に血が上ったけれど……。
次回、怖い人がこの場を〆ます♪


■楓さんへ
いっけぇ~~~♪いってしまえ!
管理人も思いました♪
いってしまうと、物語が違う方へ転がり落ちてゆくと、
自制しました(笑

エモン、光希の魔性にどぷ~り、取り憑かれてしまったずら♪
本当に、光希ってば……ぅぷぷ(←笑っ!?

楓さんのコメの、途切れ途切れの言葉が、
数倍エロイっすよw続きを是非っ。(←おいおい
想像が膨らみますvうふふふふふふっ(←ヤバイ
次回は楓さんの「こんにゃろめ!」が再び出てきて、一旦〆ます♪
2007-04-20 Fri 20:59 | URL | c.p #-[ 内容変更]
むむむむむはぁぁぁぁぁあああああっ!!!
もうだめずらぁぁぁぁああああっ!!!!!!
いっ・・・
いいいい行け!!
もう行ってしまえエモン君!!!(ぇ
君も冬季君と同じ。
光希君の魔性に取り憑かれてしまったずらのっ!!←語尾がおかしい
熱い吐息が首筋に・・・
ああ・・・えも・・・ん・・・
ぅあっ・・あ・・・
・・・
え・・・エロいんですけどぉおおおっ!!!←大興奮(笑
2007-04-19 Thu 19:29 | URL | 楓 #u2lyCPR2[ 内容変更]
どどど・・・どんどん、エモンくんが光希くんの深みにはまっていく様が・・・・、どきどきがとまらんです!
ひとつひとつの描写が、エモンくんのどきどきとあいあまって、まるで自分が傷ついた光希くんと対峙しているかのようで・・・。
エモン君、とどまりましたね。行動は(笑
よかった^^;
望まぬ神事を受けてしまった光希くん。
でも、その姿を見ても、エモン君の中で聖域である気持ちは変わらなくて。
反対に、抱いてはいけない激情を光希くんに向けてしまう己に否定を向けて・・・・。
その光希くんがやっと意識がちゃんとして、エモンくんにしがみついて・・・
ぎゃぁぁぁ
エモンくんにとっては、どきどきがとまらなくなるだぁぁぁっ
助けを求めている・・・・、きっと光希くんの安全地帯なんですね、エモンくんは。
やっとほっとできる。
でも、エモンくんは・・・・しがみつかれて・・・・
「熱い息が喜右ヱ門の首筋に纏いつき、肌を焦がしてゆく。 」
どきどきどきどき・・・・・
2007-04-19 Thu 17:27 | URL | kazu osino #7av6LuR2[ 内容変更]
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