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タダ読みたくて

自作小説「神泊村」を連載しているブログです

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蛇神-光希編 5

 事態の妖しさに気付き、怯(ひる)んだ。
 あっ。
 それが油断だった。鷲掴みに胸元を摑まれ、物凄い力で床に引き摺り倒された。
「うぅっ」
 背中に火傷を負った時のような痛みを感じ、呻いた。
 すぐさま半着ごと上半身を持ち上げられ、自分の身に何が起こったのか、分からなかった。
 この時は唯、自分の冷えた肌に流れ落ちてゆく、生温かさに、怪我をしたとしか、思わなかった。
 後で思い返して分った事だが、床に散乱していた割れた瓶子や杯の欠片で、半着はおろか中の皮膚まで引き裂かれていた。

 匂いが立ち上り、込み上げてきた吐き気を抑えた。
 血に対しては嫌悪感があった。
 神事を初めて受けたあの晩からというもの、自分のものであっても、より強い嫌悪感を抱くようになっていた。
 噛み付かれた時の恐怖が蘇る所為だろう。

 首に冷たい唇が触れ、吐き気が吹き飛び、身が恐怖に固まった。
 うっ。
 噛み付かれる、と思った。今度は、首、である。噛み付かれれば大怪我で済むかどうか。
 歯は当てられなかった。

 ちろり、と、蛇が舐めるように冷たい舌が触れた。
 思わず力任せに相手の腕を掴んだ。それでも蛇神は構わなかった。青白く輝く蛇が、半着の胸元から滑り入り、背中へと回ってきた。
「う……ぁ……」
 恐ろしく冷たい。それが、背の傷口を広げるように押し擦った。
「く……ぅ……っ」
 冷たいのか、痛いのか、分らなかった。歯を食い縛り、目を堅く閉じ、逃げ出したいのを、堪えた。
 にやり、と、蛇神が、口を裂くようにして、笑った。


 | 目次 | 

別窓 | 第4章 告白→7 蛇神-光希 | コメント:2 | トラックバック:0
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この記事のコメント

■kazuさんへ
熱い。うんうん。
私、何気に跡に残る傷が多いんですけど、
ガラスで切った時は、痛みより、熱くて、
水で冷やした事がありました。
子供だったんで(^^ゞ
水に色がついていて、初めて「切れている」と、
気付いたニブさ(笑

ずりっ……、ぬるるっ(><)
うきゃーっ(><)
ぞぞーっときますねっ。
私なら咄嗟に、摑んで地面に叩きつけて……。

光希、よく我慢してますね(^^;
kazuさんがおっしゃるように、
外にはババがおりますですv
転がり逃げ出す訳にもゆかず……、
食われてもらいます♪
口裂け蛇男に(笑)
2007-05-01 Tue 21:23 | URL | c.p #-[ 内容変更]
いたいーーーーっ!
ガラスや陶器の破片で切ると、熱いんですよね@@;
そこに、へ・・・蛇のおにゃかが・・・
すりすり・・・というより、ずりっ・・・て感じ・・・、ぬるっていうか・・・。
うぎゃぁぁぁ
光希くん、よく我慢してる!!
逃げられないし、あぁぁ、いやだー
前門の狼後門の虎・・・前門の蛇神に後門のばばーって感じで;;
口を裂くようにして・・・蛇神が笑う・・・・
うぎゃぁぁぁぁぁっ

2007-04-30 Mon 23:08 | URL | kazu osino #7av6LuR2[ 内容変更]
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