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タダ読みたくて

自作小説「神泊村」を連載しているブログです

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蛇神-光希編 6

 背の冷たい蛇が突如、燃えるように熱くなった。
 蛇神の胸元辺りを夢中で掴み、逃れるように体を反らした。
 傷の内部をゆるゆると撫で擦られ、声を抑えようとしても、抑える事が出来なかった。
「……うっああぁっ」

 熱いっ。
 まるで傷口から火を入れられたかのようだった。それが全身に回り、血が沸いた。

 あの時と同じだっ。
 初めて神事を受けた時の事が、頭の中に蘇った。
 こうなる前に、更に傷を負わされてでも、この場を去るべきであった。
 既に遅く、震えていた体の緊張が熱によってだらしなく緩んでゆく。沸いた血が、頭の中まで回り、焼け爛れたように思考が溶けた。

 傷口を執拗に撫で上げられ続けた。
「くぅっ……、んぅ……っ」
 私の口から呻き声ともつかない声が漏れ続ける。その唇を、ちろ、と舐められた。
「ふ……ふふっ……」
 蛇神が艶笑した。

 背の蛇が離れ、血に濡れた掌が目の前に、現れた。
 腕だったのかっ?
 背に触れていた蛇だと思っていたのは、腕だった事に気付いた。

 血に濡れた指先で、蛇神は紅を刷くように、私の唇を丁寧になぞった。
 まるで娘に化粧を施してやった母親のように。
 愛を含んだ満足気な笑みを浮かべた。

 識峰様……っ。

 正気に戻って欲しかった。
 もう二度としないと言ったのは、本心からなのか。

 神泊りを、意思で終える事が出来る、とは聞いた事がない。

 望みとの矛盾。
 不可能なのか。

 体の制御がきかなくなってゆく焦りが、理性を支える希望を少しずつ絶ってゆく。


 | 目次 | 

別窓 | 第4章 告白→7 蛇神-光希 | コメント:2 | トラックバック:0
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この記事のコメント

■kazuさんへ
化粧をしている場合ではないのに、
悦に入って化粧を施す。恐いですよね……。

シチュエーションの恐さに届け☆
(↑仕事から帰ってきたばかりで、
テンションヤバイです(^^;ゞ)
でも、「恐いぞー、恐いぞー」と思って書いたシーンなので、
「恐い」が嬉しいです☆

蛇神に乗っ取られまくりの識峰。
姿形は同じなのに……と、
識峰の意思はここにはないのか、
戻って戻って戻って、
きゅうぅぅぅ・・・(><)と!

主人公を苛めまくりの管理人です(^^ゞ
……ふふ。原稿がG.Wまではもつようにと、
ストックが次回で切れます。
瀬戸際の管理人。
どうしましょう?(←聞くな

連休まであと1日!
頑張りまっす!(^^v
2007-05-01 Tue 21:51 | URL | c.p #-[ 内容変更]
まるで娘に化粧を施してやった母親のように。
愛を含んだ満足気な笑みを浮かべた。

あうぅぅぅ
こっ・・・恐いです・・・・
何がってもう・・・、恐いです・・・。
闇の中に仄かに光る、蛇神様の宿る識峰様。
意思で戻れないことを知っていても、意識を戻して欲しいと願う光希くん。
きゅうぅぅぅ・・・

以前の神事を思い出し、逃げるべきであったと思っても後の祭り。
体はもう、言うことを聞かないまでに熱を帯びて力が抜けていく・・・
どっきんどっきん・・・・
動機が早くなりまするよ!


2007-05-01 Tue 17:41 | URL | kazu osino #7av6LuR2[ 内容変更]
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