FC2ブログ

タダ読みたくて

自作小説「神泊村」を連載しているブログです

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告
∧top | under∨

蛇神-光希編 8

 境内での神事。
 余所者には決して話さない話は、全て語り終えた。
 恥ずかしさに赤くなった顔を私は、どうする事も出来ず、皆の反応を待った。

 喜右ヱ門は萎(しぼ)んだ様にように俯いている。
 黒い光の合間から覗いていた光は、眩しさをすっかり失っている。

 冬季は、顔を僅かに背け、姿勢は変わらず背筋の良い正座姿をしている。
 波のない水面のような彼の光は、石がいくつも投げ込まれて次々と波紋が広がってゆくように変化し続けている。

 二人が思っていたような私ではなかった事に、失望し、驚いているのだろう。
 神童などではない事だけは確かで、掛ける言葉もない様子に、思えた。

 一郎は、話の途中から腰を上げ、私の斜め後ろで、背を向けて経ち続けている。

 私は自嘲気味に言葉を紡いだ。
「神饌を運ぶ役目については、嫌でもなく、不安もなかった……」
 一郎を意識しつつ、言葉を続けた。
「その神事以来、識峰様と顔を合わせるのが減った。気恥ずかしかった。識峰様もそうなのだろう、日常で互いに会う事が全くなくなり、手紙の遣り取りだけになった。だが、神事の役目は相変わらず続いた」

 怒りに似た光を放って傲然と立ち続ける一郎の後姿からは、拒む事はしなかったのかという、心の声が聞こえるように思えた。

「私は今でも、識峰様を救いたいと思っている」

 純粋に私の身を案じて戻ってきてくれた一郎。

「この話をしようと思ったのは、神泊神社の、村の、未だ謎の蓋を全て開け、皆が閉じよう閉じようとする中身を、両親の為、自分の為、そう言いつつも、識峰様の為に知りたいと思う気持ちがあると知って欲しかったからだ」

 心強いと思いつつ、巻き込んだ一郎。

「私自身の事を調べるのが近道ならば、勿怪(もっけ)の幸い」

 もう昔のようにじゃれ合って遊ぶ事はないだろう。

「これが、私の本心だ」

 ガン、と壁を叩く音が、背後から起こった。
 二間ある内の奥の部屋へと一郎は、入った。壁を殴っただろう拳を握ったまま、電灯の灯されていない暗い中、胡坐に座り込んだ。
 話をするよう私に促したのは一郎だ。
 想像していた以上の私の体たらくだったのだろう。
 怒りに満ちた沈黙が奥の間から漂ってきていた。


 | 目次 | 




 後に訂正したいなどと言っていた光希の心の内。
 この章の最初に書き足りなかったのですが、
 小説というのは書きながら進行するのだと……、今回、思いました。
 未熟者です。あははん♪プロット?何、それ♪
 書き足りなかった事を、光希が喋っちゃいましたよ。
 作者よりも登場人物の方が、時に強者になる。それがc.pの小説です……。
 ちなみに光希編は次回で終わります。

別窓 | 第4章 告白→7 蛇神-光希 | コメント:2 | トラックバック:0
∧top | under∨
<<蛇神-光希編 9 | タダ読みたくて | TVバトン♪ >>

この記事のコメント

■楓さんへ
一郎、自分から話すように促したのに、
途中で席を立ってましたv

楓さんの隣を失礼しまして……。
うぉおおおおおおおおお!!!!!
ガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!
まとめをしようと、早く帰ろうと思ったのに、帰れない!!
本文の語句の乱れを発見して、
いずこに主語は入るべき病が(←持病)
また始まったと、自己嫌悪!
明日の用意もしていないと、四苦八苦!

連休明け早々、崖っぷちのc.p……。
(社員が連休明けから休んでいるとです……)
しかも、先ほど地震がっ。
私が揺れてるの?!大地が揺れてるの?!どっちでも同じ?!
はぅ~(><)

昼休みに呼んだ楓さんの新記事、
のめりこみましたっ。
人気ブログだから一杯一杯の感想は残しづらいなどと考えてしまうc.p。
なのに、コメありがとうですっ(><)!!
ぅうっ。イズナさん……。
ポペットさん!ファイト!!
リサちゃんは必ず守って!!!!
2007-05-08 Tue 21:43 | URL | c.p #-[ 内容変更]
あちゃ~
一郎君怒っちゃったかぁ~
怒るよなぁ~
話の途中からじっとしていられなくなって光希君の背後で仁王立ちの一郎君、
静かな湖面に大小いろんな石を次々放り込まれたように冷静でいられない冬季君、
しぼんでちっちゃくなって消えちゃいそうなエモン君・・・
三者三様ですね。
でもまぁ怒るわなぁ~
好きだ好きだと言い続けてきた相手が、
あろうことか二度までも犯され、
無理矢理であったとはいえ、反応してしまった・・・
そしてよりにもよってその相手をまだ慕い、救おうとしている。
その事実を語れといったのは他ならぬ自分・・・
うおおおおおおおっ
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンっ!!!←柱に頭を打ち付けている
2007-05-08 Tue 15:32 | URL | 楓 #u2lyCPR2[ 内容変更]
∧top | under∨

コメントの投稿

 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
∧top | under∨
| タダ読みたくて |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。